Recoil Angular Range (Recoil AR) は離陸後の足の蹴り上げの高さを角度として測定します。数値が高いほど、下肢の筋肉を力まずに効率的に使用出来ていて、その後の足の振り出しもより容易になると言えます。
Recoil AR はLEOMO独自の Motion Performance Indicator (MPI) の一つです。LEOMOの製品でのみ、計測することができます。 |
簡単に言うと
-
適切な筋肉を使って膝から下がリラックスできているか(力んでいないかどうか)を表します
-
よって意図的にRecoil ARを大きくするように走るのは簡単ですが、意味はありません
-
あくまでも腿の振り出しを意識することで自然とRecoil ARが大きくなるのが理想
なぜ Recoil AR が重要なのか
-
遊脚期における腿の振り出しはインナーマッスルであり単関節筋の腸腰筋を利用すべきです。大腿四頭筋を使ってしまうと本来伸展する必要のない膝関節伸展のトルクが発生してしまいますが、腸腰筋を使えば膝関節は自由関節に近くなり、二重振り子の原理で膝から下はまるで「蹴り上げている」ように臀部に近づき、Recoil ARが大きくなります。
-
Recoil ARが大きくなれば、腸腰筋を使えているということだけでなく、下肢の重量が股関節に近づくことでより効率的に腿を振り出すことができるでしょう。これはThigh Swing Speedの向上にも繋がります。
Recoil ARの値について
- 単位は°(degrees)Angular Rangeなので移動した角度を表します。
-
Recoil ARは速度の影響を受けることがあります。一般的にスピードが速いほどRecoil ARは高くなります。
-
値の範囲は選手によって大きく異なります。一般的なランナーは多くは40°程度ですが、アメリカ合衆国の著名な中長距離ランナーのLopez LOMONG選手は85°程度の大きなRecoil ARを出すことができます。
-
とはいえ、大きすぎるRecoil ARは長距離、特にマラソンのような競技をやる場合には不適な場合があります。地面を蹴る意識が強く、鉛直方向の力が強すぎるとRecoil ARは80°を超える場合があります。中長距離であれば問題ないでしょうが、マラソン選手がそこまで大きな値を示す場合は接地中の意識を変えたほうがいいかもしれません。
- 靴のセンサーから動きを推定しているため、走り方によっては誤差が大きくなる場合があります(例えば離陸後に足首の関節を大きく屈曲・伸展させながら走ると値は本来の値より大きくなります。)
Angular ranges |
Class |
見た目による差(参考) |
---|---|---|
– 40° |
Low | 膝から下が流れている |
40° – 50° |
Moderate | 普通(後ろから足裏が見える) |
50° – 70° |
High | リラックスできている(足裏が見えにくい) |
70° - 80° |
Exceptional (Mid distance runner) | 後ろから足裏が見えない |
80°+ |
Exceptional (Not good for Marathon runner) | 臀部に当たるぐらい |
センサーの位置
- 靴の足の甲の部分に取り付けます。
-
センサークリップを使って下さい。
-
脱落防止のため、手前(足首)から奥(つま先)に差し込むように、シューズの紐やワイヤーなどにしっかりと固定して下さい。
- センサークリップをつま先近くに装着すると足の指に当たる場合があります。クリップをできるだけ足首に近い位置に装着することを推奨します。
リアルタイムデータ解析
Recoil AR はアクティビティ中にリアルタイムで見ることが出来ます。
また、コーチは LEOMO LVS でMPIと動画を重ね合わせて記録し、見ることができます。
関連項目
Stride Cycleの一つです。同じく構成要素となるMPIであるHeel Pitch、Thigh Swing Speed、Strike ARも参照してください。
コメント
0件のコメント
サインインしてコメントを残してください。